2016/09/05
研究者の6割が大学など所属先から支給される個人研究費が年間50万円に満たないことが、文科省による研究者約1万人対象のアンケート調査(回答率36%)で分かった、と毎日新聞(9/5)が報じた。同紙によれば、「10万円未満」と答えた研究者も14%おり、厳しい研究環境が浮かんだ。年間50万円は、新生銀行の調査によると20代男性会社員の小遣いとほぼ同額にあたる。調査は文科省の科学研究費補助金(科研費)の採択件数上位200位以内の大学や研究機関に所属する研究者を無作為抽出して行われた。科研費などの外部資金とは別に、研究活動や研究室運営のため所属先から支給される額を尋ねた。
その結果、回答者の9割が個人研究費を配分されており、6割が年間50万円未満、8割が100万円未満だった。助教、講師、准教授、教授と職位が上がるにつれ額も増える傾向にあったが、教授・准教授でも50万円未満が6割近くを占めた。10年前と比べて「減っている」とする回答は43%で、「おおむね同じ」(28%)や「増えている」(9%)を上回った。特に国立大の減少では、主な原資となる運営費交付金が過去10年で10%減少しており、その影響が大きいとみられるという。