2019/02/21
順天堂大・大学院医学研究科眼科学の村上晶教授、猪俣武範助教らの研究グループは、ドライアイの重症化危険因子を明らかにすることを目的に、iPhone用のアプリケーション作成プラットフォーム「リサーチキット」を使用したiPhoneアプリ「ドライアイリズム®︎」を開発・運用し、インターネットを通じて大規模に展開する「クラウド型大規模臨床研究」を実施。その結果、ドライアイの自覚症状の重症化には、「性別(女性)」「膠原病」「花粉症」「うつ病」「現在のコンタクトレンズ装用」「長時間のモニター作業」「喫煙」が危険因子であることが明らかになった。
「ドライアイリズム®」は、 2016年に同大学眼科よりリリースされたiPhoneアプリ。まばたき測定、OSDI(12項目からなるドライアイ特異的質問紙票)からドライアイ指数の算出が可能。同大の1月23日付ホームページによると、今回の研究は、「ドライアイリズム®️」を、アップル社のApp Storeから2016年11月から2017年11月の間にダウンロードしたユーザーの中から、基本情報、病歴、生活習慣、OSDIに回答した5265人を対象に、ドライアイの自覚症状の悪化と、参加者の基本情報、病歴、生活習慣などとの関連を解析し、ドライアイ重症化の危険因子を導出した。スマートフォンアプリで収集した医療ビッグデータを用いた革新性のあるクラウド型大規模臨床研究と医療研究の統合は、既存の臨床研究を補完していくものと期待されている。